最終更新日: 2026年09月15日
こんにちは、HOMELY制作チームです。最初に、恥ずかしい数字を出します。
このサイトの公開済みの投稿は、今日の時点で40本ほどあります。そのうち10本は「年末年始のお休み」「本社が移転しました」といったお知らせです。そして記事らしい記事の最終更新日は2025年7月23日。今月、この連載を始めるまで、1年以上、記事が1本も増えていませんでした。お客様には「ホームページは更新しましょう」と言っている制作会社が、です。
言い訳はしません。代わりに、止めていた間に分かったことを書きます。それは、更新が止まっていたこと以上に、止まる前の更新の中身に問題があったということです。
今回は、ホームページを「更新しているのに問い合わせが増えない」会社に共通する更新の中身と、何に変えると問い合わせにつながるのかを書きます。
先に結論を言うと、「お知らせ」は、誰の質問にも答えていない。それだけです。
1. 「ホームページは更新頻度が大事」の半分正しいところ
通説:更新していないサイトは信用されない
「最終更新が3年前のサイトは、営業しているのか不安になる」。この通説は正しいです。
検索エンジンの評価という意味でも、訪問者の印象という意味でも、動いているサイトのほうが有利です。「お知らせ」欄が2020年で止まっている会社に、電話をかけるのは勇気が要る。だから「何でもいいから更新しましょう」というアドバイスは、ゼロよりはましという意味で、間違っていません。営業日のお知らせ、移転、採用情報。動いていることは伝わります。
でも、「動いている」と「役に立っている」は別
ここからが本題です。
HOMELYのサイトで、記事が止まる前に何を更新していたかを見直しました。2021年以降、お知らせ以外の記事は年に数本。しかもその多くが「〇〇補助金の解説」「ツールの使い方」のように、書いた時点の話題に寄ったものでした。動いてはいた。でも、これからホームページを作ろうとしている人が、発注前に抱える疑問には、ほとんど答えていなかった。
更新の中身を2つに分けると、この違いがはっきりします。
- お知らせ更新: 会社側が伝えたいことを載せる。休業日、移転、新サービス、受賞
- 回答更新: 訪問者が問い合わせる前に抱えている疑問に答える。費用はいくらか、何を準備すればいいか、自分の会社に必要か
お知らせ更新は「動いている」ことを示します。回答更新だけが「問い合わせる理由」を作ります。HOMELYのサイトは、前者ばかりでした。

2. 1895年、農機メーカーが農業雑誌を出した
少し歴史の話をします。
1895年、アメリカの農業機械メーカーであるジョン・ディア社が『The Furrow(畝)』という雑誌を創刊しました。中身は自社のトラクターの宣伝ではなく、農業経営の知識です。どう土を扱うか、どう収穫を増やすか、どう帳簿をつけるか。農家が「農機を買う前に抱えている疑問」に、農機メーカーが答える雑誌でした。
この雑誌は創刊から130年近く経った今も続いていて、いわゆるコンテンツマーケティングの原点として引き合いに出されます。ポイントは、製品の話をしなかったことです。農家が読みたいのは「トラクターの新機能」ではなく「来年の収穫を増やす方法」でした。それに答え続けた結果、農家が農機を買うとき、最初に思い浮かぶメーカーになった。
「お知らせ」は、トラクターの新機能の告知です。「回答更新」は、収穫を増やす方法です。ホームページに載せるべきなのは、後者です。

3. 「問い合わせの前に来る質問」に答える
では、回答更新とは具体的に何を書けばいいのか。HOMELYがこの連載で採用している基準は1つです。
問い合わせフォームを送る「前」に、相手の頭の中にある質問に答える。
たとえばHOMELYの場合、ホームページ制作やシステム開発の問い合わせの前段で、必ずと言っていいほど出てくる疑問があります。
- 「うちの規模で、システム化する意味があるのか」→ Excel管理の限界の記事
- 「AIを入れたいが、何から始めればいいのか」→ AI活用は回数の棚卸しからの記事
- 「複数の見積書を、どう比べればいいのか」→ 見積書の書かれていない3行の記事
この3本は、どれも「HOMELYに頼んでください」とは書いていません。「まだシステム化しなくていい会社」「まだAIを契約しなくていい会社」の条件を先に書いています。ジョン・ディア社がトラクターの話をしなかったのと同じで、答えてくれた相手に、人は問い合わせます。
「うちには書くことがない」という会社ほど、書くことがある
ここで「うちは制作会社ではないので、書けるような専門知識はない」と思われた方に、一つだけ。
書くべきなのは専門知識ではなく、あなたの会社に問い合わせてくる人が、問い合わせる前に迷っていることです。それは、あなたの会社の電話やメールに、毎週のように届いています。「料金はいくらですか」「初めてでも大丈夫ですか」「どのくらいの期間がかかりますか」「うちのような業種でも対応できますか」。営業担当が何度も口頭で答えている質問が、そのまま記事の見出しになります。
書くことがないのではなく、毎週答えているのに、書き留めていないだけです。

4. 読者は1種類とは限らない
もう一つ、HOMELYが運用を手伝っているサイトの例を出します。
イベントの人材派遣会社のサイトで、月に2本のコラムを書いています。この会社のサイトには、まったく違う2種類の訪問者が来ます。人材を依頼したい企業と、登録して働きたい人です。同じ「派遣」という言葉でも、前者は「どんな人が来るのか、費用はいくらか」を知りたく、後者は「未経験でも大丈夫か、どんな現場があるのか」を知りたい。
だから月2本を、1本は依頼する企業向け、1本は働きたい人向け、と書き分けています。前者は依頼フォームへ、後者は登録フォームへつなぐ。「お知らせ」なら1種類で済みますが、「回答」は、質問する人の数だけ種類があります。
あなたの会社のサイトにも、たぶん2種類以上の訪問者が来ています。顧客と求職者。新規と既存。個人と法人。誰の質問に答える記事かを1本ごとに決めるだけで、書く内容は自然に定まります。

5. HOMELYならどうするか
もしHOMELYがあなたの会社の担当者なら、記事を書く前に、社内に1つだけお願いをします。
今月、電話・メール・商談で聞かれた質問を、営業と事務の人に3つずつ書き出してもらう。
出てきた質問を「依頼する側からの質問」「働きたい側からの質問」「既存顧客からの質問」のように、誰からの質問かで分ける。一番多かった束の、一番多かった質問が、最初の記事です。回答は、いつも口頭で答えている内容をそのまま書く。専門用語を足す必要はありません。
これを月に1〜2本続ける。HOMELYが1年止めて分かったのは、「更新しよう」と決意しても続かないが、「聞かれた質問に答える」は、質問が届く限り続く、ということでした。

お知らせは、載せてください。ただし、問い合わせを増やすのは、その隣の記事です。
「うちのサイトは、何を書けばいいのか」を一緒に整理します。
問い合わせ前によく聞かれる質問をお聞きして、最初の3本のテーマと、誰に向けて書くかをお伝えします。→ お問い合わせ
