最終更新日: 2025年07月23日
今、企業のホームページ制作において“静かな革命”が進行しています。その中心にあるのが「ノーコードサイト」です。従来であれば、Web制作にはHTMLやCSS、JavaScriptなどの専門知識が必要でした。しかし現在では、誰もが直感的に操作しながらプロ品質のサイトを構築できる時代が到来しています。更新のたびに制作会社に依頼する必要もなく、社内の非エンジニアでも自在にページを追加・編集できる。こうしたノーコードサイトの導入が、企業の情報発信スピードとコスト効率を大きく変えようとしています。
今回は、WordPressを活用したノーコードサイトの可能性と、導入によって得られるメリット、さらに導入が進みにくい背景までを、制作会社の視点から解説します。
ノーコードサイトとは何か?
「ノーコードサイト」とは、その名の通り、HTMLやCSSといったコードを一切書かずにWebサイトを構築・更新できる仕組みを指します。ドラッグ&ドロップ操作や直感的なUIを活用することで、非エンジニアでも扱える点が特徴です。
このトレンドは、業務のDX化が進む中で、「スピーディに情報発信したい」「外注に頼らず内製化したい」と考える企業が増えていることを背景に広がりを見せています。
ノーコードでできること
画像追加・編集
画像追加、差し替えのサイズ調整、形の変形などが自由に行えます。
テキスト追加・編集
テキストの内容変更、サイズ、色など自由にカスタマイズができます。
設定でスマートフォン、タブレット時の表示サイズも調整が可能です。
WordPress × ノーコード = 現実的な最適解
ノーコードツールにはWixやSTUDIO、ペライチなどさまざまな選択肢がありますが、私たち制作会社が特に推奨しているのが「WordPressを使ったノーコードサイト」です。
WordPressはCMS(コンテンツマネジメントシステム)の中でも圧倒的なシェアを誇り、国内外問わず多くの企業サイトで活用されています。その強みは、
- 導入しやすく汎用性が高い
- テーマ・プラグインが豊富
- ノーコード運用の仕組みが整っている
といった点にあります。
特に、最近のWordPressでは「ブロックエディタ(Gutenberg)」が標準化されており、ページ制作はまさに“ノーコード体験”。テキストの追加やレイアウトの調整、画像・動画の配置もマウス操作だけで完結できます。
さらに、ElementorやSnow Monkey Blocksといったノーコード支援プラグインを活用することで、より洗練されたデザインや複雑な構成のページもコードなしで実現可能です。
ノーコードサイトの導入メリット
1. HTMLなどの専門知識が不要
誰でも更新・修正ができるため、属人化リスクを回避できます。たとえば「営業部門で製品ページを更新したい」「採用情報を人事部でメンテナンスしたい」といったニーズにも即応可能です。
2. コンテンツ更新がスピーディ
制作会社に修正依頼を出して数日待つ必要はもうありません。テキストの誤字修正や画像の差し替えも、自社内で即対応できます。
3. 柔軟な編集が可能
- テキスト編集:フォントサイズ・色・太字・配置など
- 画像追加・加工:トリミング・キャプション追加など
- 動画埋め込み:YouTube動画を貼るだけでプレイヤーが表示
- Instagram連携:最新投稿をページ上に自動表示
こうした機能はすべて、コードを書かずに実現できます。
4. コスト削減
更新・運用にかかる外注費を削減できるのはもちろん、制作初期においてもテンプレートやブロックを活用すれば費用を抑えて構築が可能です。

なぜ、企業の導入が遅れているのか?
これほど魅力的なノーコードサイトですが、実は一部の企業では導入が進んでいません。その背景には、以下のような理由があります。
社内エンジニア・コーダーの抵抗
既存のWeb担当者やエンジニアが「ノーコードは柔軟性に欠ける」「細かい部分の調整が難しい」と感じるケースがあります。従来の“職人型”の制作スタイルを尊重する文化がある企業ほど、ツールによる自動化に不安を覚える傾向があります。
誤解や情報不足
「ノーコード=簡易的=低品質」といった誤解も多く、実際には高品質なデザインや複雑な機能が実現できることが知られていない場合があります。
業務フローの未整備
ノーコードツールの導入には、更新ルールや担当範囲の整理も必要です。現場任せではなく、社内での運用設計が整っていないと成果が出にくいのも事実です。
まとめ
ノーコードサイトは、従来のWeb制作の在り方を根本から変える可能性を秘めています。中でもWordPressを活用したノーコード構築は、現実的かつ柔軟な選択肢として多くの企業に適しています。
「もっと早く・もっと安く・もっと簡単に」Webを活用したいと考える企業にとって、ノーコードという選択肢は、今まさに“取り入れるべき武器”です。
ホームページ制作を検討している企業様は、ぜひこの機会にノーコード導入を前提とした制作体制を視野に入れてみてはいかがでしょうか。