最終更新日: 2026年09月15日
こんにちは、HOMELY制作チームです。先月から、HOMELYが運用を担当しているクリニックのサイトに、小さな仕掛けを入れています。AI関連のクローラーがページを取りに来たときだけ、日時とボット名とURLを記録するログです。人間のアクセスは一切記録しません。
設置したのは8月17日。今日までの25日間で、記録されたAI・検索ボットの到達は7,082件でした。クリニックのサイトに、です。
HOMELYはSEOやサイト制作を仕事にしていますから、「AI検索時代の対策パッケージ」を用意して売るのが自然な立場です。でもこのログを見てから、相談に来られた方にお伝えしているのは、「対策を買う前に、自分のサイトに誰が来ているかを見てください」です。
今回は、このログから分かった数字と、AI検索時代にホームページで最初にやるべきことを書きます。先に結論を言うと、AIは2種類来ていて、対策が要るのは片方だけです。
1. 「AI対策は新しいSEO」が半分正しい理由
通説:AI検索に出るための対策が、これからのSEOになる
ChatGPTやGoogleのAIによる回答に自社が出てくるようにする。「LLMO」「AIO」といった呼び名で、これを新しいSEOとして語る記事や商品が増えています。この通説は半分正しいです。
検索の入口がAIに移りつつあるのは事実で、AIの回答に名前が出るかどうかが問い合わせに影響する場面は、確実に増えている。「対策が要る」という認識は間違っていません。
でも、対策の前に「誰が来ているか」を見た会社はほとんどない
ここからが本題です。
AI対策の話をするとき、たいていの会社は自分のサイトにAIが来ているかどうかを知りません。知る手段が無いからです。多くのレンタルサーバーはアクセスログが標準で切られていて、今回のクリニックもそうでした。このログを入れるまで、AIが来ていた記録はどこにも存在しなかった。
来ているかどうかも分からない相手に、対策パッケージを買うのは順番が逆です。だから先にログを見ます。見ると、AIは1種類ではないことが分かります。

2. ログに出てきた2種類のAI
9月1日から10日までの10日間、2,544件の内訳から主なものを抜き出します。
| 分類 | ボット名(提供元) | 10日間の到達数 |
|---|---|---|
| 学習クローラー | meta-externalagent(Meta)/ ClaudeBot(Anthropic)/ CCBot(Common Crawl)/ Bytespider(ByteDance)/ GPTBot(OpenAI) | 933 |
| 検索索引 | OAI-SearchBot(OpenAI)/ PerplexityBot / Claude-SearchBot | 263 |
| 利用者起点の取得 | ChatGPT-User(OpenAI)/ Claude-User(Anthropic)/ Perplexity-User / MistralAI-User | 223 |
| 従来の検索エンジン(参考) | Googlebot | 241 |
一番上の「学習クローラー」は、AIの学習用にウェブ全体を集めて回っているボットです。数は多いが、あなたのサイトを見に来ているわけではなく、ウェブを丸ごと集めている途中で通りかかっただけです。
注目すべきは3行目です。ChatGPT-User や Claude-User は、誰かがAIに「このクリニックの診療時間は」「この症状で受診できるか」と聞いたその瞬間に、AIが本人の代わりにページを取りに来た記録です。学習でも索引でもなく、人の質問の代理です。
私たちはこれを「学習クローラー」と「代理訪問」と呼び分けています。
代理訪問は10日間で223回。同じ期間のGooglebotが241回ですから、このクリニックのサイトには、Googleのクローラーとほぼ同じ回数、AIが人の代わりに訪問していることになります。街のクリニックです。IT企業でも大手ECでもありません。

3. 1876年、司書が書架へ行くようになった
少し歴史の話をします。
1876年、アメリカの図書館員サミュエル・グリーンが「図書館員と読者の個人的関係」という論文を発表しました。それまでの図書館は本を保管する場所で、利用者は自分で書架を探すものでした。グリーンは、司書が利用者の質問を聞き、代わりに書架へ行って本を探し、答えを持ち帰るべきだと主張した。これが今の図書館の「レファレンス・サービス」の起源とされています。
AIの代理訪問は、この司書です。利用者は書架(あなたのサイト)を自分では見ない。司書が代わりに見に行き、答えだけを持ち帰る。
ここで大事なのは、司書が探しに行った本が書架の間違った場所にあったり(404)、背表紙に題名が無かったり(構造化データが無い)、古い版しか置いていなかったり(キャッシュ)すると、司書は「見つかりませんでした」と利用者に伝えることです。利用者は、あなたのサイトが存在したことすら知らないまま、司書が持ち帰った別の店の答えを聞きます。

4. ログが教えてくれた、このサイトの3つの問題
ログはAIが来ていることだけでなく、来たときに何が起きたかも記録しています。このクリニックのサイトで実際に見つかった問題を、正直に3つ書きます。どれもHOMELYが運用しているサイトで起きていたことです。
問題1:AIの到達の12%が404だった
9月の2,544件のうち、309件が「ページが存在しない」を返していました。約12%です。8月は16%でした。AIが持っている古いURLの記憶や、他サイトからの古いリンクをたどって来て、そこにページが無い。司書が書架へ行ったら本が無かった、が10回に1回以上起きていた。
問題2:更新が最大30日、AIに届かない設定になっていた
このサイトはサーバーの設定で、HTMLに「30日間は同じ内容とみなしてよい」という指示が付いていました。画像には妥当な設定ですが、ページ本文にも適用されていた。診療時間や休診日の変更を更新しても、司書は最大30日、古い版を持ち帰る可能性がある。ログを取るまで、誰も気づいていませんでした。
問題3:ページに「これは何の店か」を機械が読める形で書いていなかった
医院の所在地・診療時間・診療科目。人が読めば分かりますが、AIや検索エンジンが確実に読み取れる形式(構造化データ)では書かれていませんでした。背表紙に題名が無い状態です。
正直に付け加えると、この3つのうち、今日の時点で対処が終わっているものはありません。計測を先に入れ、何が起きているかを数字で確認した段階です。対策より計測が先、というのはHOMELY自身への言葉でもあります。

5. AI検索時代のホームページで最初にやる3つのこと
ログから逆算すると、やることは高価な対策パッケージではなく、地味な3つです。
- 404を潰す。AIが来ている古いURLを、今のページへ転送する。ログが無いと、どのURLに来ているか分からないので、まずログ
- 更新が届く設定にする。ページ本文のキャッシュ期間を短くし、更新した日にAIが新しい版を持ち帰れるようにする
- 答えを本文に書く。AIが持ち帰るのは「答え」です。診療時間・料金・対象となる症状・予約方法を、ページの中に、質問に答える形で書く。先日の「お知らせ」しか更新しない会社の記事で書いた「回答更新」は、人だけでなく司書のためにも効きます
3つとも、従来のSEOでやるべきだったことと変わりません。変わったのは、司書が来る回数が、Googlebotと同じになったことです。

6. HOMELYならどうするか
もしHOMELYがあなたの会社の担当者なら、AI対策を検討する前に、1か月だけログを取ります。人のアクセスは記録せず、AIと検索ボットの到達だけを記録する軽い仕組みで十分です。
1か月後に見るのは3つだけです。
- 代理訪問(ChatGPT-User、Claude-Userなど)が来ているか、何回か
- そのうち404を返した割合はいくつか
- どのページに来ているか。来てほしいページか
この3つの数字が出て初めて、「対策が要るか」「どこに要るか」が決まります。数字が出る前に決めた対策は、たぶん、来ていない相手への対策です。
司書はもう来ています。書架を整えるのは、それを確認してからで間に合います。
あなたのサイトにAIが来ているか、1か月計測します。
人のアクセスは記録しない到達ログを設置し、代理訪問の回数・404の割合・到達ページをまとめてお渡しします。対策が要らないと分かれば、そうお伝えします。→ お問い合わせ
