コラム

街のクリニックのサイトに、ChatGPTは10日間で162回来ていた。AI検索時代のホームページで最初にやること

2026.09.10

AI検索時代のホームページ、ChatGPTが10日間で162回来たときに最初にやること

最終更新日: 2026年09月15日

こんにちは、HOMELY制作チームです。先月から、HOMELYが運用を担当しているクリニックのサイトに、小さな仕掛けを入れています。AI関連のクローラーがページを取りに来たときだけ、日時とボット名とURLを記録するログです。人間のアクセスは一切記録しません。

設置したのは8月17日。今日までの25日間で、記録されたAI・検索ボットの到達は7,082件でした。クリニックのサイトに、です。

HOMELYはSEOやサイト制作を仕事にしていますから、「AI検索時代の対策パッケージ」を用意して売るのが自然な立場です。でもこのログを見てから、相談に来られた方にお伝えしているのは、「対策を買う前に、自分のサイトに誰が来ているかを見てください」です。

今回は、このログから分かった数字と、AI検索時代にホームページで最初にやるべきことを書きます。先に結論を言うと、AIは2種類来ていて、対策が要るのは片方だけです。

1. 「AI対策は新しいSEO」が半分正しい理由

通説:AI検索に出るための対策が、これからのSEOになる

ChatGPTやGoogleのAIによる回答に自社が出てくるようにする。「LLMO」「AIO」といった呼び名で、これを新しいSEOとして語る記事や商品が増えています。この通説は半分正しいです。

検索の入口がAIに移りつつあるのは事実で、AIの回答に名前が出るかどうかが問い合わせに影響する場面は、確実に増えている。「対策が要る」という認識は間違っていません。

でも、対策の前に「誰が来ているか」を見た会社はほとんどない

ここからが本題です。

AI対策の話をするとき、たいていの会社は自分のサイトにAIが来ているかどうかを知りません。知る手段が無いからです。多くのレンタルサーバーはアクセスログが標準で切られていて、今回のクリニックもそうでした。このログを入れるまで、AIが来ていた記録はどこにも存在しなかった

来ているかどうかも分からない相手に、対策パッケージを買うのは順番が逆です。だから先にログを見ます。見ると、AIは1種類ではないことが分かります。

AI対策の前に自分のサイトへ誰が来ているかをログで確認する

2. ログに出てきた2種類のAI

9月1日から10日までの10日間、2,544件の内訳から主なものを抜き出します。

分類ボット名(提供元)10日間の到達数
学習クローラーmeta-externalagent(Meta)/ ClaudeBot(Anthropic)/ CCBot(Common Crawl)/ Bytespider(ByteDance)/ GPTBot(OpenAI)933
検索索引OAI-SearchBot(OpenAI)/ PerplexityBot / Claude-SearchBot263
利用者起点の取得ChatGPT-User(OpenAI)/ Claude-User(Anthropic)/ Perplexity-User / MistralAI-User223
従来の検索エンジン(参考)Googlebot241

一番上の「学習クローラー」は、AIの学習用にウェブ全体を集めて回っているボットです。数は多いが、あなたのサイトを見に来ているわけではなく、ウェブを丸ごと集めている途中で通りかかっただけです。

注目すべきは3行目です。ChatGPT-UserClaude-User は、誰かがAIに「このクリニックの診療時間は」「この症状で受診できるか」と聞いたその瞬間に、AIが本人の代わりにページを取りに来た記録です。学習でも索引でもなく、人の質問の代理です。

私たちはこれを「学習クローラー」と「代理訪問」と呼び分けています。

代理訪問は10日間で223回。同じ期間のGooglebotが241回ですから、このクリニックのサイトには、Googleのクローラーとほぼ同じ回数、AIが人の代わりに訪問していることになります。街のクリニックです。IT企業でも大手ECでもありません。

AIアクセスの学習クローラーと代理訪問の2種類

3. 1876年、司書が書架へ行くようになった

少し歴史の話をします。

1876年、アメリカの図書館員サミュエル・グリーンが「図書館員と読者の個人的関係」という論文を発表しました。それまでの図書館は本を保管する場所で、利用者は自分で書架を探すものでした。グリーンは、司書が利用者の質問を聞き、代わりに書架へ行って本を探し、答えを持ち帰るべきだと主張した。これが今の図書館の「レファレンス・サービス」の起源とされています。

AIの代理訪問は、この司書です。利用者は書架(あなたのサイト)を自分では見ない。司書が代わりに見に行き、答えだけを持ち帰る。

ここで大事なのは、司書が探しに行った本が書架の間違った場所にあったり(404)、背表紙に題名が無かったり(構造化データが無い)、古い版しか置いていなかったり(キャッシュ)すると、司書は「見つかりませんでした」と利用者に伝えることです。利用者は、あなたのサイトが存在したことすら知らないまま、司書が持ち帰った別の店の答えを聞きます。

AIの代理訪問を司書が代わりに探す仕組みで説明する図

4. ログが教えてくれた、このサイトの3つの問題

ログはAIが来ていることだけでなく、来たときに何が起きたかも記録しています。このクリニックのサイトで実際に見つかった問題を、正直に3つ書きます。どれもHOMELYが運用しているサイトで起きていたことです

問題1:AIの到達の12%が404だった

9月の2,544件のうち、309件が「ページが存在しない」を返していました。約12%です。8月は16%でした。AIが持っている古いURLの記憶や、他サイトからの古いリンクをたどって来て、そこにページが無い。司書が書架へ行ったら本が無かった、が10回に1回以上起きていた。

問題2:更新が最大30日、AIに届かない設定になっていた

このサイトはサーバーの設定で、HTMLに「30日間は同じ内容とみなしてよい」という指示が付いていました。画像には妥当な設定ですが、ページ本文にも適用されていた。診療時間や休診日の変更を更新しても、司書は最大30日、古い版を持ち帰る可能性がある。ログを取るまで、誰も気づいていませんでした。

問題3:ページに「これは何の店か」を機械が読める形で書いていなかった

医院の所在地・診療時間・診療科目。人が読めば分かりますが、AIや検索エンジンが確実に読み取れる形式(構造化データ)では書かれていませんでした。背表紙に題名が無い状態です。

正直に付け加えると、この3つのうち、今日の時点で対処が終わっているものはありません。計測を先に入れ、何が起きているかを数字で確認した段階です。対策より計測が先、というのはHOMELY自身への言葉でもあります。

AIアクセスログが教えてくれた404・更新遅延・構造化データの3つの問題

5. AI検索時代のホームページで最初にやる3つのこと

ログから逆算すると、やることは高価な対策パッケージではなく、地味な3つです。

  1. 404を潰す。AIが来ている古いURLを、今のページへ転送する。ログが無いと、どのURLに来ているか分からないので、まずログ
  2. 更新が届く設定にする。ページ本文のキャッシュ期間を短くし、更新した日にAIが新しい版を持ち帰れるようにする
  3. 答えを本文に書く。AIが持ち帰るのは「答え」です。診療時間・料金・対象となる症状・予約方法を、ページの中に、質問に答える形で書く。先日の「お知らせ」しか更新しない会社の記事で書いた「回答更新」は、人だけでなく司書のためにも効きます

3つとも、従来のSEOでやるべきだったことと変わりません。変わったのは、司書が来る回数が、Googlebotと同じになったことです。

AI検索時代のホームページで最初にやる404修正・更新・回答記載の3つ

6. HOMELYならどうするか

もしHOMELYがあなたの会社の担当者なら、AI対策を検討する前に、1か月だけログを取ります。人のアクセスは記録せず、AIと検索ボットの到達だけを記録する軽い仕組みで十分です。

1か月後に見るのは3つだけです。

  • 代理訪問(ChatGPT-User、Claude-Userなど)が来ているか、何回か
  • そのうち404を返した割合はいくつか
  • どのページに来ているか。来てほしいページか

この3つの数字が出て初めて、「対策が要るか」「どこに要るか」が決まります。数字が出る前に決めた対策は、たぶん、来ていない相手への対策です。

司書はもう来ています。書架を整えるのは、それを確認してからで間に合います。


あなたのサイトにAIが来ているか、1か月計測します。

人のアクセスは記録しない到達ログを設置し、代理訪問の回数・404の割合・到達ページをまとめてお渡しします。対策が要らないと分かれば、そうお伝えします。→ お問い合わせ