最終更新日: 2021年04月01日
近年のインターネットの成長とスマートフォンの普及で、オンライン上でお買い物ができる「ECサイト」からの購入者が増えています。商品の機能・価格・口コミなどを比較サイトやSNSで調べ、自分に合った商品を選び、購入する流れが非常に多くなってきました。今まで大企業が運営をするのが当たり前だったのが、中小企業そして、個人もECサイト構築を行い世界中のユーザーを相手に商品を販売するようになりました。
また、事業者側にとっては実店舗を構えるだけでなく、ネット上でも店舗展開ができるため、ECに参入する事業者は増加する一方です。今回はオンラインショッピングを可能にするのが『ECサイト』の運営で重要なショッピングカート並びにECサイト運営サイトの商品登録数、初期費用、月額、などの比較とメリット・デメリット、売上アップの方法などについて徹底解説します。
1、ECサイト・ショッピングカートとは?
ECカートとは「ネットショップの注文を処理するソフトウェアサービス」です。ECカートを利用することで、店舗の広さというのを考えることなく、これまで実店舗で置くことができなかった商品やサービスを、インターネットを通じて販売することができます。
今では、ECカートはネットショップのほとんどに導入されており、その機能の特徴として
- 注文を受けつけ、記録する機能
- 送り先や配送する方法、決済の方法を選ぶ機能
- 決済する機能
- お客さまや売上を管理するための分析機能
- お客さまへのフォロー機能
といった機能をそろえています。
ECサイトのショッピングカートは3つの種類があります。
- 自社専用にカスタマイズできる「パッケージ型」
- 初期コストが安く、自由度の高い運用ができる「オープンソース型」
- 導入・運用コストが安い「クラウド(ASP)型」
それぞれにメリット・デメリットはありますが、まずはECサイトのショッピングカートのメリットをご紹介します。
2、ECサイト・ショッピングカートの特徴(メリット)
①初期費用、コストが安い
ECサイトのショッピングカートを導入する際に無料もしくは非常に安いコストで設置することが出来ます。
実際に店舗を作るのとは違い、非常にコストも安いので開設を気軽にすることが出来ます。
②ショッピングサイトにある必要な機能が基本機能で用意されている
当たり前のことかもしれませんが、先ほども書きましたが
- 注文を受けつけ、記録する機能
- 送り先や配送する方法、決済の方法を選ぶ機能
- 決済する機能
- お客さまや売上を管理するための分析機能
- お客さまへのフォロー機能
といった店舗運営の機能が基本的に用意されています。
運営会社によってはアップグレードすることで有料になったり、課金されることもありますが、最も安く運営をしようと思えば、実店舗を作るよりはるかに安く早くできます。
ただし、以上のようなメリットだけではなくデメリットもショッピングカートには存在します。次にそんなショッピングカートのデメリットを見ていきましょう
3、ECサイト・ショッピングカートの特徴(デメリット)
①ECサイト・ショッピングカートの自由度が低い
これはサービス会社によりますが、デザインなどがあらかじめ決まっていてカスタマイズがあまりできないサービスもあります。
これの大きな欠点は自社商品、サービスに親和性のあるサイトが作れないという事です。
また、カスタマイズをするにしても専門知識が必要で、別途費用が掛かる場合もあります。
②利用するサービスで追加料金がかかる場合がある
利用する会社によって、追加料金が発生する場合があります。
これは自社サイトに新たに新しい仕組みを付けたいときや、サービスのランクを上げたいときに追加料金がかかります。
また、売り上げが上がれば、店舗の使い勝手や容量を増やしたいですが、そうした時にも追加料金がかかることがあります。
運営コストは出来るだけかけたくないところですが、売り上げを上げる仕組みやサイトの規模を広げるための容量を確保するために追加料金がかかることがありますので、あらかじめ調べておきましょう。
③サポート体制が手薄い
日本でもだいぶECサイト運営会社が増えましたが、急激に増えたことで、サービスを提供できるが、サポートが出来ない会社が多くあります。
店舗運営側が疑問に思っていることを連絡してもなかなか解決できない、そもそも連絡がつかないなど、ECサイト運営会社のサポート体制もまだまだ手厚くはありません。
ECサイト運営会社側も専任サポートを付けるサービスを始めているところもありますが、もちろん有料です。
商品の知識はあっても、ネットショップの構築やデザインなど手探りでやっている方には歯がゆい事でしょう。
実際には、このようなデメリットも存在するのも事実です。
ショッピングカートによっては、上記デメリットの一部が該当しないケースも当然ありますが、一般的なショッピングカートとしてのメリット・デメリットをしっかり理解したうえで、選定し、ECサイト運営の第一歩を踏み出すことが重要です。
4、ECサイト・ショッピングカート比較表
ここでは代表的なショッピングカート5社を比較してみました。
重要な選定基準となる、初期費用、月額費用だけでなく、手数料、さらにどのような機能があるのか。といった各ショッピングカートの特徴をまとめてみました。
BASEは初期も月額も0円で始められるだけあって、多くの店舗や個人がショッピングサイトを開設する場合にも多く採用されているようです。
実際作ってみると非常に簡単に作れてしまうのであっけにとられるほどですが、初心者であればおススメです。
一方で110万店舗を超える膨大な店舗数を取り扱っている為、サポートに関してはお問い合わせフォームやメール、チャットが中心となり、電話ですぐ相談したい!といったサポートはなかなか難しいようです。
そのようなサポートの充実を重視するのであれば、有料のショッピングカートを採用するのが最善ではないでしょうか。
サポートする範囲や内容も各社様々ですが、有料のショッピングカートではそのメニューも豊富なのも特徴の一つになります。
5、無料or有料?ECサイト・ショッピングカートの選び方
次に選ぶ基準として、無料ショッピングカートと有料ショッピングカートという観点で比較をしました。
①無料カートで出来ること、出来ない事
⑴出来ること
- 無料でコストを低く抑えられる
- 機能は必要最低限ある
⑵出来ない事
- デザインが少ない
- テンプレートが決まっていることが多く、変更できる点が少ない
- カード手数料が比較的高い
- サポート体制が手厚くない
といったことが上の表から見えてきました。有料カートはどうでしょうか?
②有料カートで出来ること、出来ない事
⑴出来ること
- 機能が充実してデザインも多い
- デザインの自由度が高く、商品やサービスとの親和性の高いサイト作成が出来る
- 手数料は取られるが、無料と比較すると若干安い
- 電話サポートや直接サポートを受けれるので安心してサイト運営が出来る
⑵出来ない事
- 初期費用がある程度かかるので、すべて無料で始められない
無料カートと有料カートを比べると、どちらでもできることとできないことがありますし、できるから良い、できないから悪いというわけではありません。
もちろん無料カートの種類によっては制限が異なりますし、有料版への移行もできたりもします。
何といってもコストを低くして始めるハードルを下げれるというのは大きなことです。
そうなると一概に無料カートより有料カートがいいというわけではないです。
それを踏まえ有料カートと比較した時に差が出る部分というのは「容量」「デザインテンプレート数」「集客機能」「独自ドメイン」「解析機能」「掲載商品点数」といった、今以上に売り上げを伸ばしていきたいときに必要になる機能が有料になっていることが多くなっています。
初心者でサイトを立ち上げたいという人にとっては、今すぐ必要な機能ではありませんし、最低限販売できる環境は整っているので、最初は無料カートで初めて、売り上げを見ながらグレードを上げてコストをかけてもいいのではないでしょうか?
金銭的な面で考えても、無料でネットショップを個人でも立ち上げられることは魅力的だと思います。
もちろん、それぞれに目的があるわけですから、ネットショップを立ち上げ新しい事業の一つになっていて、売上をどんどん増やさなければいけないということであれば、始めから有料カートを使い土台からしっかり作りこんでいくことが一番目的を叶える近道だと思います。
ここから言えることは、ネットショップを立ち上げる目的を明確にして、無料カートを選ぶのか、有料カートを選ぶのか考える必要があります。
6、ECサイト・ショッピングカートをコスト以外で選ぶ場合
①ECサイト・ショッピングカートのリスク
ここまで、有料・無料のECサイト・ショッピングカートの比較をしてきましたが、他社のサービスの上に成り立っているという構造にのっている限りリスクはあります。
もしも、利用しているECサイト・ショッピングカートの運営会社の収益が下がり、サービス自体から撤退する場合もあるというリスクを考えたことはありますか?
サービスを終了・撤退するケースも今後出てくるかもしれません。
そうした場合、強制的にサービス解除となる為、ECサイトを存続する為には別のショッピングカートで、新たにサイトを立ち上げなければなりません。
また、順調に売り上げがあった場合、新しいサイトが立ち上がるまで売り上げがありませんし、特にサイト(ブランド)への信頼度というのが落ちてしまいます。
長期的にショッピングカートを運営するのであれば、選定には費用面だけでなく、信頼性や実績、会社の信頼性、年数等をトータルで判断したほうが良いでしょう。
②自社ECサイト・ショッピングカートの商品で選ぶ
ここまではコスト面に注目してECサイト・ショッピングカートを比較してきましたが、先ほども書いた様に各店舗運営には目的があります。
販売する商材が定期購入をメインとした商材の場合、そのような定期購入が強いショッピングカートを選ぶべきですし、対法人に対して販売を目的としたショッピングカートの場合は法人取引向けショッピングカート。
といった形でショッピングカートを選択することもありです。
販売する商品やサービスに特徴がある場合は、ショッピングカートの選定もそれに強いショッピングカートを選択すると良いでしょう。
③ECサイト・ショッピングカートの機能で選ぶ
ECサイト・ショッピングカートの一番のメリットは、コストが低く始めることが出来ることですが、最初からある程度の規模で始めることが可能であれば、それに見合った機能がついている方がいいですし、拡張度の高いECサイト・ショッピングカートを利用した方がいいでしょう。
ECサイトを成功させるには3つの原則があります。逆に失敗するにはそれが出来ないから失敗するのです。
その3つの原則を実現させる機能があれば、たとえコストを多少かけたとしても、成功する確率は高くなります。
⑴ECサイトを成功させる原則:集客できる
いくら素晴らしいECサイトを作成したとしても、集客できなければ意味がありません。
集客方法には戦略的に対策を打っていかなければなりません。
- SEO対策
- ウェブ広告戦略
- リスティング広告(Google広告、Yahoo広告)
- SNS広告(Facebook広告、Instagram広告、Twitter広告、LINE広告)
知識としてはあったとしても、それを生かすツールがなければ、ユーザーの動きを予測し、満足いくサイトを作り売り上げに直結させることは不可能です。
なので、こうした仕組みが一つのシステムの中に入っているという事は、管理する時にも、コストのことを考える時にも、重要なファクターとなってきます。
⑵ECサイトを成功させる原則:商品を見せる
集客に成功したとしても、商品、サービスを効果的にユーザーに見せることが出来なければ売り上げに直結しません。
人のネットでの判断は8秒といわれています。
8秒以内に「欲しい」「必要」という判断をさせるためには、顧客を離脱させてはいけません。
ECサイトでは、サイト内に訪れた顧客の目線に立って離脱をさせない方法をとらないといけないのです。
例えば、商品画像や説明文が自分のニーズに合っていないと感じれば顧客は簡単に離脱してしまいます。
また、ショップ情報も充実していないと初めて訪れたショップでの購入に顧客が不安を持って離脱してしまします。
この他にもレスポンスが遅かったり、決済方法の選択肢が少なかったりすることも購入者が、ショップで購入しやすく感じるうえで大事な要素です。
その様に、カスタマイズやデザインなども自由度が高いサービスを選ぶ必要があります。
⑶ECサイトを成功させる原則:リピーターにする
売りきりの商品だけでは、先月売り上げが良くても、今月は今月となってしまい、いつまでたってもサイト運営が安定しません。
ECサイトを安定して運営するには、安定した売り上げが必要です。
その為にはリピーターを増やすための対策を考え始めるべきです。
過去に自社ショップを利用した顧客と接触し、顧客が再来店するきっかけを作ることで売り上げを上げることが出来ます。
簡単なことですが「お礼メール」を送るというのは効果的です。
お礼に加えて「商品の使用感はどうですか」「トラブルはありませんか」といったフォローアップを行えば、リピーターになるきっかけになるかもしれません。
また、メルマガ、ダイレクトメール、ブログ、SNSを活用することで、顧客の生の声を拾ってマーケティングにつなげることが出来ます。
本来自社開発する場合には莫大な資金が必要なこのような仕組みも、アプリが解決してくれるShopifyでECサイトを運営すると売り上げを上げることが出来ると思います。
7、まとめ
ECサイトを運営するという事は「売り上げを上げる」「規模を大きくする」「実店舗以外のユーザーのニーズを分析する」など様々な目的があると思います。
ECサイトは個人でも簡単に立ち上げることが出来ること、コストが低くできることが大きなメリットですが、本来の集客、売り上げの導線をどうやって引っ張ってくるのか?
地味ではありますが、マーケティングの基本を抑えてから、もしくはすでに実店舗でファンがついている、知名度があるといった状態から始めた方が成功の確率は高いです。
そして、ECサイトを成功させる3つの原則を実行していけば、きっと実績として出てくるでしょう。
貴方のECサイト選びに少しでも助力できたのなら、うれしいです。
それでは検討をお祈りします。