こんにちは、HOMELY制作チームです。今年の6月まで、このサイトの制作実績ページには97件の実績が並んでいました。数だけ見れば、それなりの実績です。
でも中身を見直したとき、97件のうち84件は、クライアント名とURLと公開日の表があるだけで、紹介文がほとんど無かった。そして紹介文を書くために1件ずつサイトを確認していったら、閉鎖や不通で確認できないサイトが18件、URLの記録すら無いものが32件ありました。97件と書いてはいたが、いま「これを作りました」と胸を張って紹介文を書けるのは、36件でした。
制作会社が実績の数を自分で減らす話を書くのは、正直に言って気が進みません。でも、実績ページが問い合わせにつながらない理由が、この数え直しで分かったので書きます。
お急ぎの方は、この記事を約60秒で解説した動画をどうぞ。
1. 「実績は多いほど信用される」の半分正しいところ
通説:実績の件数は信頼の証
97件と9件なら、97件のほうが信用される。これは正しいです。数は経験の量を示すし、業種の幅も伝わる。「実績〇件」と書くこと自体が間違っているわけではありません。
でも、発注する人は「数」ではなく「自分に近い1件」を探している
ここからが本題です。
実績ページを見に来る人は、97件を全部見ません。自分の業種、自分の規模、自分の悩みに近い1件を探しています。歯科医院の院長は歯科医院の実績を探し、工務店の社長は工務店の実績を探す。そして見つけた1件を開いたとき、そこにクライアント名とURLしか無ければ、「で、何をしてくれたのか」が分からない。
97件の名刺を並べても、発注は決まりません。私たちはこの状態を「名刺型実績」と呼んでいます。名前と連絡先だけがある。逆に、「どんな状況で、何を考えて、何をして、どうなったか」まで書かれている実績を「カルテ型実績」と呼んでいます。

2. 1960年代、カルテの書き方が発明された
少し医療の話をします。
1960年代、アメリカの医師ローレンス・ウィードが、それまで医師ごとにばらばらだった診療記録の書き方に、統一の型を提案しました。患者の訴え、診察で分かった事実、医師の判断、治療の計画。この4つを、この順番で書く。「SOAP」と呼ばれる型で、いまも世界中のカルテがこの順で書かれています。
この型の価値は、書いた本人以外が読んでも、何が起きて何をしたかが再現できることです。担当が変わっても、別の病院に移っても、カルテを読めば続きができる。
制作実績に必要なのは、この型です。「どんな会社が、何に困っていて、何を考えて作り、何を重視したか」。読んだ人が自分の状況と照らし合わせて、「うちの場合はこうなりそうだ」と再現できる書き方。名刺にはそれが無く、カルテにはある。

3. 36件を、カルテ型に書き直した
考え方だけでは信用されないと思うので、実際にやったことを書きます。
型を6つの見出しに決めた
1件ごとに、次の6つの見出しで書くと決めました。
- プロジェクト概要
- 制作の背景・目的
- デザインの方向性
- サイトの主なコンテンツ
- 制作で重視したポイント
- 採用した主な機能・仕様
カルテの型と同じで、見出しを固定すると、書く側は迷わず、読む側は比べられます。97件をばらばらの文章で書くより、6項目で揃えるほうが、探している人にとって親切です。
成果の数字は書かない、と決めた
「アクセスが〇倍」「検索順位〇位」といった成果の数字は、一切書かない方針にしました。理由は2つあります。1つは、制作後の数字はクライアントの営業努力や市況で動くもので、制作会社が自分の成果として書くのは正直ではないから。もう1つは、裏付けの取れない数字を書いた瞬間に、他の全ての記述が疑われるからです。書いたのは、実際のサイトで確認できる事実だけです。
1件ずつ、いまのサイトを見て書いた
紹介文は記憶で書かず、1件ずつ現在のサイトを開いて、いま存在する機能と構成だけを書きました。これが「36件で止まった」理由でもあります。サイトが閉鎖されていれば、確認できないので書けない。18件は閉鎖・不通・別サイトへの転用で確認できず、32件はそもそもURLの記録が残っていなかった。
一覧の見た目で失敗した
正直に書くと、最初は各サイトの全ページを縦長に撮った画像を一覧に使い、カード状に並べたら見た目が崩れました。横長のファーストビューに撮り直して差し替えています。実績ページは「一覧で自分に近い1件を見つける」場所なので、一覧の見やすさは本文と同じくらい重要でした。
4. 数え直して分かった、実績ページの本当の問題
36件で区切ったあと、分かったことが2つあります。
1つ目。実績の件数は、制作会社が自分で管理できない。作ったサイトは、クライアントの事業が変われば閉じる。97件のうち半数以上が確認できなくなっていたのは、HOMELYの制作の質の問題ではなく、時間の問題です。だから「〇件」という数字は、書いた瞬間から古くなる。
2つ目。書けなかった61件は、HOMELYの記録の問題だった。URLの記録が無い32件は、納品時に「何を作ったか」を自社で残していなかったということです。実績は、作った瞬間にカルテとして書いておかないと、数年後には名刺すら残らない。カルテ型に書き直したことで問い合わせが変わったかどうかは、比較できる計測をしていなかったので書きません。書けるのは、次に作るサイトからは納品と同時にカルテを書く、と決めたことだけです。

5. HOMELYならどうするか
もしHOMELYがあなたの会社の担当者で、実績ページを直すなら、件数を増やす前に次の3つをやります。
- いま生きている実績だけを数え直す。確認できないものは、恥ずかしくても一覧から下げる。「〇件」の数字は、その後で書き直す
- 見出しを固定して、上位10件だけカルテ型に書く。全部やろうとすると止まります。問い合わせが多い業種の10件から
- 成果の数字を書かない。代わりに「何に困っていて、何を重視したか」を書く。読む人が自分と照らし合わせられるのは、数字ではなくそこです
制作実績に限らず、施工事例、導入事例、症例紹介、全部同じです。名刺を97枚並べるより、カルテを10枚書いてください。

あなたの実績ページを「名刺型」か「カルテ型」か判定します。
現在の実績一覧を拝見して、カルテ型に書き直す優先10件と、6つの見出しに沿った書き方の型をお渡しします。→ お問い合わせ
